回転軸の設計方法と注意点

軸の設計(強度)
    
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1.軸の設計(寸法を決める)
この段階では多くの情報を得なければなりません。なぜならば、軸の寸法が決定するからです。

それでは、下図のモデルについて設計の参考例を示します。多くの回転機械はこのような構成です。

出力軸・・・外部から仕事を受取り、または外部に仕事を行います。

変速機・・・目的に合わせた回転数、またはトルクを得ることができます。伝動機の動力が一定とすると、回転数が低いほど大きなトルクが得られ、逆に回転数が高くなると取り出せるトルクが小さくなります。

電動機・・・電動機とは動力の源です。外部へ機械的な仕事をさせるときは電動機という扱い。発電所のように外部(タービン)から仕事を受け取るときは、発電機となります。このサイトでは電動機とします。
 

  回転機械の構成         

 


  
  設計条件

電動機
  1. 定トルク特性(60Hz、3000[rpm])
  2. 動力の容量は、電動機の下が要求する容量
  3. 電動機効率ηM=0.9
変速機
  1. 変速機は増速機として、ギア比4/1
  2. 伝達能力は出力軸による
  3. 伝達効率ηG=0.9
  4. 慣性モーメントIM=1.5[kg・m2]
出力軸
  1. 軸端にラジアル荷重(1[kN])、アキシアル荷重(0.5[kN])、慣性モーメント0.06[kg・m2]の負荷がある
  2. 回転速度N(10000[rpm])
  3. 出力トルクT(20[N・m])が掛かり、回転数に関係なく一定
  4. 0〜10000[rpm]における加減速の時間は30[sec]
  5. 使用する場所を調査した結果、出力軸の寸法は500[mm]にする。軸端は軸受箱(ハウジング)から200[mm]出す(オーバーハングする)必要がある。
  6. 中実軸として設計する
 
   
 
     
   @動力の大きさを確認する
 ここで、最低限必要な軸の太さを決めます。動力と回転数からは軸に作用するトルクの大きさを決めることができます。このトルクからは、トルクを伝達するために必要な回転軸の直径が決定します。逆に、出力軸が必要とする動力やトルク、回転数を基に、モーターの容量や変速機のギア比を選択します。
 このとき、見落としがちな加速トルクや減速トルクをある程度含めておく必要があります。
 そして、どれ位の外力が作用するのかを見積もって軸の太さを決めます。このとき、曲げモーメントを考える必要がありますが、「軸受の配置」によって最後に決定されます。
 軸の強度を計算する際には、「曲げ」、「引っ張り」、「せん断」を組み合わせた応力で評価します。
 
 
最低限必要な電動機の動力は以下の通りです。
最低必要動力 

※加速トルクは未考慮
 加速・減速トルクは軸系全体の慣性モーメントを基に算出します。設計を進めていくと形が現れてきますので、最後にもう一度この計算を行います。従って、ここでは回転数を維持できるだけの電動機の容量です。
 
 
  A出力軸の設計
 回転軸の設計を厳密に行うと、1度の計算で終わりません。何度か計算をやり直さないと軸受の選定や振動面で失敗する原因を作ってしまいます。

モーメントの大きさ
 M=Fr×L1=1000[N]×0.2[m]=200[N・m]
 
   延性材料を使用するとき、相当ねじりモーメントの式を用いるので、


 
 
 最大せん断応力は



 
   

次に、材料を選びます。(順番は逆でもよく、材料を選んでから軸径を計算するときもあります)

 安全係数(率)は応力集中係数や、切欠き係数、荷重係数、寸法効果係数、表面効果係数、環境係数の積で求められます。ここでは、安全係数f=1.5とします。

 
   から

材料のせん断の疲れ限度τ≧τf_max の関係になるようにします。

せん断疲れ限度は、回転曲げの疲れ限度の1/3〜1/5とされています。

τ=σ/5より、
σ=5×τ=5×57.3=286.5[MPa]以上の回転曲げ疲れ限度の材料を選定する。
よって、「クロムモリブデン鋼SCM432」を選定する。

軸径を大きくするなどして、発生応力を下げると材料を機械構造用炭素鋼にすることが出来ます。
 
   
 
 
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